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忖度すること


今国会(第193通常国会)を見ていて、思うところがずーっとありました。


「はて?日本人って、いつから忖度させることが悪いことになっちゃったんだろう」ということです。

どこの世界にも「上司のご意向を忖度してモノごとを進める」というのはあります。それは会社の上司であっても、行政府の最高責任者・総理大臣であっても同じ、そういうものだと思います。

よく、政治家や政党のポスターかなんかで、「この政策●●は、私(もしくは我が党)がやりました!」というのがあります。 これって、正確に言うと嘘です。 百歩譲って、まだ「●●を実現させました!」と言うのなら許せますが、そもそも行政計画は政治家が作るものではありません。国家であれば官僚組織が、自治体であれば役所が作るものです。政治家は、選挙で選ばれた民意の束ですから、行政や官僚のやりたいことを鵜呑みにせずに、本当に正しいと思うこと、国民市民のために役立つという方向性を示す、あるいは行政計画を軌道修正していくことが求められるはずです。まさに「忖度させる」ことは、政治家の本来の仕事です。役所の言うことを鵜呑みにする政治家とは、まったく勉強をしていない役立たずと同義語です。

一方、官僚組織の大好物は「前例踏襲」。しかも、身内が大好きな生態系の中に生きていらっしゃいます。規制緩和!とか言い出す政治家(地方議員も含む)がいた場合、その人は役所組織からひそかに「政治介入」というレッテルがはられ、疎んじられます。

私は思うんですけれど、日本の国民は少なくとも、ここ数年は「政治主導こそが官僚支配や中央集権化という悪弊からの打破、岩盤規制にドリルをあけて規制緩和することが、低迷する日本経済を浮揚させる」と信じていたはずです。 今回の獣医学部設置、安倍さんは政治家として「当たり前の事」をやったに過ぎません。それでも、なぜここまで叩かれるのか?支持率が落っこちるのか?

そして「口が悪いミヤケ」が、あえて大声で言いたいことが次です。

官僚組織の一員に過ぎない事務次官が、退官後にチクルことが、そんなに偉い事なのか?なぜ、後出しジャンケンがこんなにも評価させるのか?

・・・・・ちょっとだけ冷静に戻って、理由を考えてみました。

それはひとえに日本人は「政治を私物化」されることが大嫌いだから。 そして権力に立ち向かう弱者(のフリをする人)を称賛する・・いわゆる「判官びいき」だから。 たとえ本質からかけ離れた事柄でも、ピーチクパーチク騒ぎたてる・・・今国会での一連のマスコミ報道となったわけです。

そうなってしまった理由は、ただ一つ。日本人が一番忌み嫌う領域を抵触したってことは、日本人が一番関心を持つ事案に他ならない。こんなにオイシイ話はない!というのが、カラクリです。当然ですが、マスコミ各社は営利企業ですから「数字」がとれてナンボの世界なわけです。

結果は官邸の敗北。全ては安倍さんが平謝りした昨日の会見に集約されました。昔の人はいいことをおっしゃいました。「李下に冠を正さず」。これにつきます。 今回は、さすがに官邸サイドも懲りたのではないでしょうか?

最後に一番大切な話ですが「政治家と官僚組織」の関係性について、橋下徹さんの冠番組(6/19放送)を見ていて、心に残った言葉があります。 「政治家が役所に忖度させることはあたりまえでしょう」 「政治家と役人の大きな違いは、役人は責任をとらなくていいこと」 「政治家はダメであれば選挙で入れ替わる。役人はやり過ごす。」

如何でしょうか?


忖度すること



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