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執筆者の写真三宅まこと

一人では、やらない


 介護保険法の改正により、今までの要支援認定ご利用者様を地域主体の「総合介護支援事業」の受け皿で引き受けることになりました。そんな法改正の端境期にあたって、いわゆる「総合事業」の担い手はなかなか見つかりません。狛江市でもご多分に漏れず、なかなか介護事業所等が手を挙げることをためらっています。その理由は、ひとえに安い(=介護報酬体系で安価)ので事業採算性がとれないからです。

 介護保険法という法制度に関しては、会派によっては「改悪」「事業所いじめ」とか散々、国や市の悪口を言うわけですが、自らが介護者の立場で、且つヘルパーもやっている地方議員としての立場は「国のお金がないのだから、市民が自立して何とかしていきましょう」ということです。

 そんな中、介護予防に役立つ地域活動講座のメニューで「活動現場見学会」にお邪魔しました。簡単に言うと、介護予防を目的とし、お年寄りに継続的な運動をしていただくために、地域の主体者が公共の場所を利用して、専門の講師に継続的な運動を指南していただく取り組み、主体者は「元気スクール(※)」さんです。

 代表の方からお話を伺いました。印象的だったのは「こういう集まりが大事。一人ではできない。」ということ。他にも「(月2千円会費)お金のモトをとるために出かける」「行政による場づくりは、受け身になりがち、いわゆる『托老所』になりかねない。それよりもまずは市民主体で人を集めることが大切。人が集まれば、あとは(補助金とかで)なんとかなる」というお言葉をいただきました。

 地方議員としての私は、「行政の悪口を言うのではなく、自分からやってみることの大切さ」をいつも実感しています。そうした意味では、行政に頼らず、自立した市民の皆様が発した珠玉の言葉だと受け止めました。

 冒頭の言葉、「一人では、やらない」の正確な意味は、「一人では、できない」ではなく、「一人では、やらない。」ということ。お心当たりがあるとは思いますが、スポーツジムに入る理由は、自宅ではどうしても自分に甘くなりがちな健康管理も、集団の中では刺激を受けて継続できるから。・・・そんな感じなのかもしれません。

 借金が多くて貯金が少ない狛江市の行政サービス運営上の大きなカギは「場」づくりを促すこと。改めて認識いたしました。

(※)平成29年度狛江市総合介護支援事業「通所型サービスB」に指定されました。



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